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こんにちは。
私の推しが登場する小説を読んだので、簡単に感想を書きます。
何時ぞやの記事にもちょろっと書きましたが、私は明治時代の海軍軍人・広瀬武夫氏が大好きです。
彼は軍人としても人間としてもとても魅力的で面白い人であると私は思うのですが、残念ながら世間一般的には知名度は高くありません。
小説『坂の上の雲』を読んだ人や歴史・軍事に明るい・好きな人でなければ、どんな人物だったか名前すら知られていないでしょう。
広瀬氏のエピソードの中でも有名なのは、
帝国海軍初の軍神となった事とロシア人女性と恋仲にあった事。この二つでしょうか。
この小説はそんなエピソードを元に書かれています。
前半の舞台はロシア。陸軍軍人・田中義一氏の視点と広瀬氏とアリアヅナ嬢の視点が交互に書かれます。
広瀬氏とア嬢が親交を深めてゆく反面、田中氏は来る時の為に対露工作を謀ります。
ア嬢は広瀬氏と暮らす未来を祈るのですが、残念ながら日露関係は更に悪化し、開戦待った無しの状況になります。国と国との関係に個人の願いなど及びもしません。
前半は田中氏の視点と広瀬氏&ア嬢の視点の緩急にドキドキします。
後半の舞台は日本と戦地である旅順港です。
主に広瀬氏と後輩である加藤寛治氏の視点で書かれてます。広瀬氏の所属する海軍の作戦や行動について書かれてます。
帝国海軍はロシアの艦隊が停泊する旅順港の入り口を塞いで閉じ込め足止めを狙う作戦を立てます。広瀬氏はこの作戦の指揮官の一人に選ばれ、引き受けます。
しかし、この作戦は成功率も生還率も低い為、加藤氏はア嬢との将来を考えて辞退する様に熱く説得します。が、広瀬氏の決心は堅く揺るぎません。
結果、この作戦は失敗に終わり、その後の加藤氏の視点での海戦と、広瀬氏が彼に託した手紙について書かれます。
この小説の表紙が広瀬氏とア嬢が寄り添っているイラストなので、多少のロマンティックな展開と内容を想像して手に取った方もいらっしゃると思います。
実際はロマンティックな部分は少なく、割と淡々と物語が進みますし、広瀬氏の死後のア嬢のお話とか書かれてるのかな…と思いきや全くありません。
私は読みやすかったのですが、二人の恋物語を期待している方に取ったら「表紙詐欺〜」と感じてしまうかも知れません。
安心してください。二人が結ばれるシーンはあります。
ただ、私は二人はプラトニックな関係なままで広瀬氏は童貞だったと思ってるんで…
実際、個人的な旅行や商売でロシアに滞在していた訳でなく、海軍の留学生・駐在員として公的な立場で滞在していた訳ですし、ア嬢の父親もロシア海軍の士官です。簡単には手を出せないし、婚約も難しかったと思います。
それに、閉塞作戦に臨まんとする広瀬氏を加藤氏がア嬢の事を思って説得するシーンですが、婚約している訳でもない一個人の恋愛についてそこまで気を遣う?と思ってしまいました。
もちろんこれは「小説」であって「歴史書」ではありませんから、テーマや場面上これはこれで胸熱なのです。
そもそも、広瀬氏が登場する小説は貴重ですから、書いてくださった作者様、大変々々ありがとうございます!
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